謎というのは解けるものもあれば解けないものもあるようです。いまだに謎のことがあります。ただ私に知識が乏しいだけなのかも知れません。その謎というのはいまだに何度も思い出す少年期のある物のことです。昭和40年頃の小学生の遊びと言えば裏山の探検や、ターザンごっこや、小川でのフナ釣りといったものでした。ある日いつものように裏山で遊んでいました。雑木林に大きな木があって、太いツルをほどきターザンごっこをしていましたが、それに飽きてきり通しを通って別の場所に仲間たちと移動していました。友達が立ち止って切り通しのむき出しになった赤土を掘り始めたのです。彼はそのザラザラした石を手に取り、耳のそばで握りしめたその石を振り始めました。彼は言いました。音がするよと。皆代わる代わる彼のしぐさをまねて振りました。不思議なことにコロコロと音がするのです。割ってみようということになりました。割ってみました。中から出て来たのは何と粘土の塊だったのです。初めての経験でした。いくつもの石が切り通しの赤土に顔をのぞかせていました。皆こぞって取り出して割ってみました。どの石からも粘土が出て来たのです。誰かが言いました。今度は割らずに中の粘土を出してみようと。穴をあけて掻きだそうということになりましたが、道具も何もありません。私たちは時間を決めてまたここに来ようと約束しました。次の日皆大きな釘などを持って来ました。それでそのもろそうな石に穴をあけて中の粘土を掻き出したのです。一人がその穴に向けて息を吹きかけました。何と泳がしたのです。そのホーという音は子供ながらに魅力的な音でした。こぞって同じことをしたのです。日当たりのいい裏山の切り通しに、ホーという音が響きました。なぜ石の中に粘土が入っているのか、どうしてそのような石ができたのか未だに謎なのです。http://www.cineclube.org/